不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
「意思的に使ったかはわかんねぇが、あいつは俺たちの前で何回か力を使ってる。何人かは思い当たる節があるだろ。あいつが突然眠りだしたあたりがそうだ。
それで俺もガキの頃と同じ奴だと気付いたんだ」
アカリさんはガキの頃にリンの力を目の当たりにしていたから、すんなりとそれが受け入れられたのだろう。
そして、その話を聞いてはっと顔を上げれば、
いつもは関わろうとしないくせに珍しく話し合いに参加してる公平と目が合った。
きっと、思い出してるのは同じ事だ。
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『ショウ病院行くぞ』
『もう1人で歩ける』
『は?何だよ。さっきまで俺の支えなきゃ立ってらんなかったくせに』
『………いや…、あの女が俺の腕掴んだ瞬間、痛みがすーって消えたんだ』
『何だそりゃ。ちょーのーりょくかっつーの』
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まさか本当に…
あの時のは、
確実にそうだ……。