不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
「俺も行きます。あいつは『守られるだけの姫なんて嫌だ』ってあの場に出て行ったんです。けど、実際は俺たちなんです。俺たちがあいつにずっと守られてたんです」
1番に声を上げたのが、公平だった。
意外な人物に辺りはどよめき出す。
公平はただ言ったんじゃない…。
目からは覚悟が読み取れた。
「公平に負けるわけには…」
「公平が行くなら俺も!」
「俺も!」
「俺たちの方がリンリンと一緒にいたんだ!」
「俺も行く!」
次々と声が上がる。
「何でお前が俺たちより影響力あんだよ!ふざけんな!」
「わっ、ちょ、ツバサさん痛い痛い!」
ツバサさんは公平の首に腕を回し、締め付けている光景はどこか場を和ませた。
「あ!まさかお前、あのブスに惚れたか?!」
「なんでそーなんスか!!俺は、あいつが友達だから助けに行くんスよ!!」