不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
side.カケル
この力は能力者の精神状態も関係するとわかっていたが、これ程とは…。
アヤトくんに謝りを入れ、自分も何とか立ち上がれば、
「派手な登場だな」
低く、敵意のある声がした。
俺はとんでもないところに着地してしまったらしい…。
アヤトくん、ごめん…。
そして、顔を上げると、目の前にはここのボス。
黒髪から覗く瞳は、あの暗闇を連想させられた。
周りの奴らも初めて会った時とは違う雰囲気に、背中がゾクリとする。
大勢から受ける威圧感なのかはわからない。
けど、自分が普通の人間の集まりに一瞬怯えてしまった事は確かだ。