不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
ここって2階だよな…?
迷わず飛び降りる光龍たちに驚くものの、数分前の衝撃のせいで普通な事のように思えてくる。
俺は、横たわる翔子の手足の縄を解く。
もちろん、かすり傷一つだってない。
「翔子…、俺やっちまったよ」
そう言って、ぎゅっと翔子を抱きしめても、眠る翔子からはもちろん返事はない。
俺があいつを連れて来なければ、黙って車の中でみんなの帰りを待ってればこんなことにはならなかったのかもしない…。
項垂れたってしょうがないのはわかってる。
けど、こうして今翔子の傷が1つもないのも、俺がこいつを抱き締められるのもあいつのおかげだ。