不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
そんな俺たちを見かねて、ヒロトはいそいそと全員に水を配りだす。
ついさっきまでビビってた下っ端2人は、こういうところは強いらしい。
顔色が変わらないとすれば、カケルとアヤトはもちろんだが、
……アカリはきっと、無事にテレポートされた安堵の方が強いのだろう。
これも特訓のたわものだ。
「どうする?少し休憩してから行くか?」
そんな俺たちの様子を見かねてか、カケルがこう言ったが、行くと言ってもこの神木の地下に研究所があるのは信じがたい。
「入り口とか見当たらないけど、本当にここにあるのか?」
思わず聞いてしまった。