Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「オラアッ!!」
怒声だけ一丁前に飛び掛かってきた奴をギリギリで交わし、後ろから殴りかかってきた奴を避けた。でも横からに気付かずに腹を殴られる。
「グッ……! ゲホッ、ゲホッ……」
休んでなんて居られない。胸ぐらを掴まれて慌ててそいつの股間を蹴り上げると、死角となった背後から首を締め上げられる。
「クッ……!」
その力があまりに強すぎて意識が飛びかけた。
もう、駄目か。
「手間取らせやがって! 大人しくしろよ」
達弘が近付いてくる。手には何やら液体の入ったコップが。
「口開けろ」
そう言われて素直に開ける奴がいる訳無いでしょ。明らかにヤバい色してるじゃん。
口に力を込めると「チッ、つまんねえ抵抗すんなよ!!」と、達弘は私の喉を片手で締める。
ああヤバい。本当死ぬかも。目の奥がチカチカする。
唇にコップの縁を押し付けられた。
苦しさに口を開けば終わりだ。
もうほんと、無理だ……。
そう意識が薄れた瞬間だった。
――バンッ!!
騒がしいその場でも全員が動きを止めるくらい大きな音がした。雷でも落ちたのかと思った程だ。
周りの奴等が向いている方を見ると、金属製の扉が蹴り破られていた。
そこに立っていたのは――。
「京一さん!」
京一、だった。