Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―



「今レイが寝てんのは薬の効果だろうけど、気を失ったのは多分これが原因だ。後遺症とか、出なければ良いけど……」



ビルを出てすぐに確認したが息はしていた。それに途中で一度ぼんやりと目を開けたから、――これが病院ではなくここに直行した理由である――大丈夫だろうとは思うのだが。

恐らくその頃には薬が効き始めていたのだろう。眠そうなレイに「大丈夫だよ」と言うとまた目を閉じたのだった。そのことを本人が覚えているか分からないほど、レイの意識は朦朧としていた。



「あの野郎……」



それを見て奥歯の方で京一は唸る。
彼の拳を見ると、固く握り締められていた。

数時間前とはまるで別人のようだ。これほど京一はレイを大切に思っているのに、この二人はなぜあんな関係になってしまっていたのだろうか。



「……何で清涼会に顔知れてんの?」



そう聞くと、京一は一瞬目を伏せて言った。



「三代前の総長と仲良くしてたんだよ」


「何で」


「――そいつが優子を気に入ったって聞いたから」



やっぱり。全部、レイのためだったんだろ?

そう俺が言う前に京一は立ち上がる。



「ちょっとあっち行ってるわ」


「うん」



そう言って部屋を出ていく京一。
俺は彼の後ろ姿を見送った。



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