Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「じゃ、呼んでくるな」
ユウはニコッと笑って部屋を出ていく。
少しすると扉の向こうから何やら聞こえてきた。
「え、でも無理だって」
京一の声だ。
「大丈夫だよ。ちゃんと色々話せよ?」
「いやどうやって!? 無理無理無理、何話せば良いんだよ?」
「え、何って……何かあるだろ色々。お前らちょっと拗らせ過ぎなんだよ! ほら、行け!」
ユウの声が一際大きく聞こえたかと思うと、京一が「ええ~、ちょ、レイヤ!」という声と共に姿を現した。
思わず笑みが零れる。
京一も同じなんだ。私と話すの緊張して駄々こねてるの、ギャップ凄すぎじゃない?
――バタンッ
「……」
ユウが京一を無理矢理押し込み、扉を閉めると沈黙が流れる。
京一はドアの所から一歩も動かずに気まずそうに頭を掻いている。
何でこういう時に奥手なのよ。
「お兄ちゃん」
そんなに大きな声じゃなかったけど、静かな部屋では十分過ぎるくらいに響いた。
京一は一瞬驚いたように顔を上げ、そして目尻を下げてクシャッと笑う。
懐かしい。昔、よく見た笑顔。私が安心する笑顔。
「優子」
京一はさっきユウが座っていた私の横の椅子に腰掛けた。
「あ、のさ優子……えっと……」
歯切れ悪く話し出す彼の様子は、まるで点数の悪い隠したテストが見つかった時の小学生のようで、なんだか笑ってしまう。
「ふふっ。京一、キョドり過ぎ」
「わ、悪いかよ。こっちはお前と話すの緊張してんだよっ」
頬を膨らましてそっぽを向く京一。
さっきから何なの本当。可愛すぎるんですけど。