Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「地球はこの小さく見える銀河系の中の、太陽系の中の小さな惑星で、日本はその中のまた小さな国で、東京はもっと小さな都市で、私はもっともっと小さなコミュニティに生きてる。……この絵を見ると私は埃みたいな存在なんだって思う」
「面白い見方すんだな」
そうかな、割と普通だと思うんだけど。
「じゃあユウは何で?」
ユウはマイペースに話し始める。それは答えを見つける時間ではなく、話すのを僅かに躊躇った時間に思えた。
「……あの真っ暗闇は、死後の世界。で、あの星は先人達の、死んでいった人達の魂。暗闇の中で、身を寄せ合うように集まってる。そう見えたから」
あまりに予想外の答えに感想は出てこない。
「今まで数え切れない人間が、動物が、生命がこの地球に生まれてきて死んでいった。……いつか俺達もあの中の星になるんだよ」
「……そうだね」
「そう考えるとさ、あんまり死ぬのも悪いことじゃなくない?」
「……そうかも知れない」
別にユウに調子を合わせた訳では無かった。
本当にそんな気がした。そう思わせるような絵だったのだ。
ユウはそんな私に少し笑った。
「朝飯、食う? 持ってくるけど」
「え? いや、行くよ」
ベッドにまで持ってきてもらうのは悪いと思って立とうとする。
が、立てない。
床に崩れ落ちそうになる私を、ユウは「あぶねっ」と言いながら抱き抱えた。
「忘れた? 腰立たないだろ、まだ」