Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「えっ、意外とかわいーじゃん。あそぼーよ」
ヤンキーチックな風貌をした集団の中の彼は、自分からぶつかってきた癖に、私の手を掴んで放さない。
「……」
あーもう、面倒臭い。
抵抗すると逆ギレしてくることがほとんどだから。特に悪酔いしてるみたいだし。
人数的にも体格的にも勿論私に勝算は無いから、穏便に放してもらいたいんだけど……。
何か良い方法は無いものか、と考えあぐねていたその時。
「タスク、放して。その子、俺の知り合いだ」
その集団の中から1人出てきて、助け船を出してくれた。
でも……誰だろう?
「んだよ、マサの知り合いかよー」
私を掴んでいた男はあっさりと手を放した。
「うん。じゃ、俺はここで」
そして、マサと呼ばれた男は集団に別れを言って、そのまま私を連れて歩き出す。
知り合いにいただろうか、こんな男。
オーバーサイズなジャケットに、ニット帽。夜だというのに少し色の着いたサングラスにピアスが複数個着いた耳。
知り合いだと嘘を付いて助けてくれたのだろうか。
……いや。
服で誤魔化した細身な体、奥二重に高い鼻。
複数個のピアスの中の、変わらない位置に着けているリング型のピアス。気だるそうな雰囲気。
もしかして。
「……ユウ?」