Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―



「何でこんなに遭遇すんの、私達」


「それは俺が聞きたいよ」



だって都会の真ん中だよ? 気持ち悪くなるくらい人に溢れてんのにさ、待ち合わせしてる訳じゃないのにこんなに同じ人に会うなんてほぼないでしょ。



「で、何してんのこんなとこで」



パソコンをいじっていたユウは手を止めて私に聞く。



「何って……時間潰してんの」


「せっかくクリスマスが休日に当たったのに?」


「それ言ったらユウもじゃん。こんなとこで」


「ん、まあね」



それにしてもユウって真面目なの? 不真面目なの?

話し方とか見た目とかは軽そうなのに新聞とか読んでるし、今だってパソコンいじってたし。



「クリスマスってそもそもイエス・キリストの誕生日じゃん? 何で日本でもこんなにお祭り騒ぎなんだろうな」



ユウはガラス越しに見える人を不思議そうに見下ろしている。



「違うよ、ユウ。クリスマスだから騒いでるんじゃなくて、かこつけてただ騒ぎたいだけ」



私も同じようにどこから湧いてきたんだと聞きたくなるくらいの数のカップル達を見下ろしながら言う。

クリスマスの日だけクリスチャンになるなんて随分と虫が良いもんだ。他人が何を信仰してようが興味なんて無いが、こういうのは反吐が出る。



「なるほどねー。でもさ、レイが今日暇してるなんてな」


「どういう意味?」


「先週あんなもん買ってたから今日使うのかと思ってたぜ」


「あれは私のじゃないよ。知らない所で2親等、3親等が増えてちゃ困るから」


「ふーん……」



ユウはその言葉だけで大方理解したように息を漏らした。




「……それとも何、探り入れてんの?」



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