Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「……イ! レイ! 降りるぞ!!」
「ん……?」
ユウの耳元で小さく叫ぶ声に目を開けると、電車のドアが開いていた。
寝ちゃってた!?
ユウに続いて急いで降りると、すぐに電車は発車した。
にしてもこの駅……。
「なんか出そう」
「ははっ。なーに言ってんだよ」
だってさ!? さっきの電車から降りたの私とユウだけだし! 周り何にも無いし! 駅の癖に人の気配0なんですけど!?
「……私無人駅って初めて」
「俺もここだけだな」
明かりだけついている木造らしきその駅を出ると、辺りは一気に闇に包まれる。
腕時計を確認すると、もう20時を回っていた。
「で? ユウ。こんなこと連れてきてどうするつもりなの?」
「ちょっと待ってろ」
そう言うとユウはポケットからスマホを取り出し、電話を掛け始めた。
「あ、もしもし。しょうちゃん? ……うん、そう。着いたよ。……うん、待ってる。じゃよろしくー」
ピッと通話を切ると、ユウはニッと親指を立てて見せ、無人駅の前の椅子に座る。
いや待って? それだけじゃ何も分からないんだけど!
「えっ? 何、どういうこと?」
「いーから、お前は黙ってついてこい」
話す気は無さそうなので、私は聞くのを諦めて彼の隣に腰掛ける。
それから10分程経つと、私達の前に一台の車が止まった。