Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「ちょっと明るくなってきたな」
しばらくしてから、ユウが言った。
「ほんとだ」
ユウの言う通り、さっきまで闇そのものだった辺りは薄暗くなってきていた。
そこから明るさは次第に増していく。それは思ったよりも早いスピードだった。
私とユウは自然に椅子から立ち上がり、柵に持たれていた。
明るくなって、周りが見えるようになり、――昨日は既に暗くて何も見えなかった――自分が今、どんな所にいるのかを初めて認識する。
思った通り、山の上。そこまでは高くない。恐らく標高は500メートルも無いだろう。
眼下には街がある。そしてその奥にあるものは、なんと海のようだ。
「海……? ユウ、ここって何県?」
「んーと……千葉、かな?」
確実に東京から出たことは分かっていたが、千葉とは予想が出来なかった。何しろ千葉に来たのはこれが初めてだし。
「お、そろそろかな」
ユウが少し弾んだ声で言う。
その視線を私も追う。
すると突然。本当に突然だった。
「え……」