Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
Darkness
三学期が始まった。
何故そんな面倒なことをするのか分からないけれど、うちの学校は大抵金曜日に新学期が始まる。だから1日行って、――土曜も授業がある時は2日行って――その後すぐ休みが来る。
私は今、その学期最初の週末にユウと会っているって訳。
正月にユウが私を連れ回したお陰で遠慮の欠片も無くなって、理由が無くても家に行くこともある。
毎回毎回行為をする訳じゃない。むしろクリスマスから一度もしてない。やっぱりユウは淡白な方なのだろうし、きっと彼は私が乗り気じゃないことを察してくれている。
「へぇー、“しょうちゃん”ってあの山の持ち主なの」
「泊めてよ」とユウにLINEを送ると、私の塾が終わる夜10時半に近くまで彼は迎えに来てくれた。
別に大丈夫って言ったけど、絡まれやすいんだからと来てくれたんだ。
ほんとこういう所紳士だよね。
「え、どうやって知り合ったの?」
「んー、目の前で倒れた」
「は?」
「去年の今頃、駅から出てちょっと歩いた所で目の前でしょうちゃんが倒れたんだよ。でも人間って冷てーんだぜ、誰も声掛けないの。見ることには見てるんだけど」
「あー……」
誰も何もしないその光景はいとも簡単に想像出来る。
「それでユウが助けたってこと?」
「ん、まあ救急車呼んだだけだけどな」
別に何もしてない、というような口調。
その横顔は何にも興味が無いように見えるのにね。
それでもどこか、魅力的に感じるのはユウの人間性を僅かに感じられるからなのかな。
それとも……。