Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「先、席取っとくね」
「おう」
注文カウンターでメニュー表とにらめっこしている彼に声を掛け、店の1番隅の席に座った。
私の分も払ってくれると言うので言葉に甘えた。
彼は全国展開のチェーン店であるこの店に慣れてないのか、普通よりも時間がかかっているようだ。
カフェラテを飲みながら彼の横顔を眺める。
キリッとした奥二重、高い鼻、形のいい唇、上手く整えられた眉毛。
程よい短髪が頭蓋骨の形の良さを露出させ、そこから美しい首筋が顔を覗かせている。
黒髪短髪だからか優等生感があるが、耳には複数個ピアスホールが開いていて、右耳のその中の1つにリング型のピアスを着けている。
全体的に線は細めで、特に長い腕から細い手首、細長くて綺麗な指へのラインの美しさは最早芸術と言ってもいい。
身長は私が164センチであることを考えれば恐らく175~180くらいだろう。
こんな優良物件がナンパなんかするんだなあと不思議な気持ちになる。
「注文難しくね?」
「そう?」
一段と疲れた顔でコーヒーを片手に座る彼。
そう言えば、お互いに名前すら知らない。
「何て呼べば良い?」
「んー……じゃあ、ユウ、とか」
彼は少し考える素振りを見せてからそう言う。