Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
まだディナーには早い時間な為、すぐに席に案内される。
「はい、じゃあ顔こっち」
私は夏川の顔の傷口を消毒し、ガーゼを貼っていく。
いつの間にこんなに傷を作ったんだ。
「ってー……」
「あともうちょい。頑張って」
「ん……」
痛みに顔を歪ませ目に涙を浮かべる夏川。
これは……確かにいじめたくなるのも分かるわ。
それに今までちゃんと見たこと無かったけど夏川って綺麗な顔してるんだなー。
「はい、完了」
「おっ、さんきゅ。悪いな付き合わせて」
「ん。はいこれ」
一通り痛々しい傷は手当てが終わり、残った消毒液やらガーゼやらを夏川に手渡す。
「体は? 痣とか出来てない? 血とか出てない?」
体も結構殴られてたよね……。
「あー……腹とかは結構……」
痛いな、と言いながらへらっと笑う夏川。
「え……」
「ああ、いいよ。それは自分で出来る」
「良かった。……あ、じゃあこれ。いる?」
私はさっきの動画を見せる。
「え、これ……消すんじゃなかったのかよ?」
「はあ? あんなん嘘に決まってるでしょ。ああいう奴等はね、大抵しつこいんだよ。変にプライド高いからね。証拠は残しとくの。で、いる?」
夏川は驚いたようにポカンと口を開け、すぐに笑顔になる。
「じゃ、貰っとく」
「分かった」
それから私達はLINEを交換して、私は動画を送った。