Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
もう少しまともな奴の居る学校だと思っていた。噂に精を出すような奴が居るレベルではないと思っていたんだけどな。
「どこにも噂好きって居るんだなあ……」
階段に座ると、ふと本音が漏れた。
それを聞いて夏川と美穂は笑う。
「ま、俺は仕方ねえことばっかしてるけど。橘は何でまたあんなに言われちゃってんの?」
「んー……よく絡まれるからそれ見られてるんだろうね」
「なるほど……じゃあ、清涼会の総長の女だって噂は?」
そう美穂が聞く。まさか美穂あんた、それ信じて無いだろうね?
「あー、それもどっかで何か絡まれたんでしょ。ああいう奴等って全員同じに見えるから分かんないわ」
何であいつらは集団になりたがるんだ?
お陰でちっとも覚えられやしない。ちょっと印象に残るのは髪色が相当奇抜だったり、やたらと奇声をあげていたり、見たことも無い位置にピアスを着けていたりする奴だけだ。
「ははっ、そういうこと。あ、ならあれは? 援交。何であんな噂立ったんだよ?」
今度は夏川が言う。
「それは多分あの時。サラリーマン風のおっさんに無理矢理ホテル連れ込まれそうになったのを誰かに見られたんだろうね」
「うえぇ……それどうやって切り抜けたの?」