Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
駅の柱に寄り掛かるように座り込んでいる女性がいた。
ま、例の通り声をかける人は居ない訳で。
私も出来ることなら余計なことに関わりたく無かったのだけど。あまりにも酷い汗をかいて呼吸も荒く、今にも死にそうな勢いだったのだ。
「……はっ、はっ…………気持ち悪い……」
「え? どうしました? 吐きます?」
「それは……大丈夫……」
見た目からして20代前半といったところだろう。スーツも着慣れているようだし、社会人か。
小柄で私でも抱えられそうだ。
体が凄く熱い。熱が出ているのか。
「救急車呼びましょうか」
「いやっ……」
「え? 駄目ですか?」
彼女は私の手を掴んだまま何も話さなくなってしまう。
あー、もう……こんなとこでどうするんだよ。
仕方なく私は自分のマフラーを彼女に巻く。彼女を背負うと、彼女の熱い息が耳にかかる。本当に酷い熱だ。
どこか近くのビジネスホテルにでも寝かせるか。あ、でもビジネスホテルって一泊いくらなんだろう。私の手持ちで払えるだろうか。
スマホで近くのホテルを調べていると、声を掛けられた。
「あれ、レイ。どうした?」