Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「あっ、ユウ」
遭遇する回数が多すぎてもうお互いに驚かなくなっている。重症だな。
「ちょっと具合悪そうだから」
背中の彼女を見せると、彼は「あれ、こりゃ酷いね」と言った。
「で、どうするのこの人」
「んー、ビジネスホテルにでも寝かせようかと思って」
「なるほど。じゃはい、運ぶよ」
ユウはそう言って、彼女を自分の方へ渡せ、という仕草をする。
「いやでもあんた、そんなほっそい体で……」
「……あのな、流石にお前が担げる人を俺が担げない訳無いだろ」
そりゃそうか、と私は大人しくユウに彼女を預けた。
それから近くのビジネスホテルに入り、彼女をベッドに寝かせる。
私としてみればそこでさよならのつもりだったのだが、あまりにも彼女が辛そうなのでコンビニで諸々を買ってくることにした。
「ちょっとこの人見てて。私コンビニ行ってくる」
「え?」
「ほら、スポーツドリンクとか額に貼るシートとかあった方が良いでしょ」
「ああ……一人で平気か?」
その口調が何だか母親みたいで思わず笑ってしまう。
「あははっ、そんなに心配されるほど抜けてないと思うんだけどな」
「いやお前、絡まれやすさ尋常じゃないぞ」
「それ軽そうって意味?」
「は?」
意表を突かれた、という顔のユウを残して私は部屋を出た。