Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
a Hickey
なんか最近、ユウが微妙な顔をすることが増えた気がする。
何て言うの、考え事してるっていうか、ボーッとしてるっていうか。それから決まって最後は苦しそうな表情で頭を掻く。
「ユウ」
彼の自宅で、テーブルの上に広げているノートパソコンをさっきから無視し続けているユウに声を掛ける。
「ん? 何?」
「どうしたの、浮かない顔して」
そう言うと彼は取り繕うようにハッと顔を引き締めて、それからまた諦めたように緩めた。
「んー、ちょっとね。考え事」
「ふーん……?」
「レイがこっち来てくれたら解決するかも」
ユウはそう言いながら自分の太ももをポンッと叩く。
――私に、そこに乗れと?
「やだよ。大体そんなことで解決するかい」
「えー、けちー。たまにはレイからこっちに来てくれても良いじゃーん」
確かに、いつもいつもユウが私を気に掛けてくれてる。
いやでもだからって、自分からユウの膝の上に座るってハードル高くない? てか何なの、その恋人同士みたいな甘々な要求は?
「……かったよ」
仕方なくソファーを立って彼の方に向かうと、彼は「えっ……レイが、自分から……マジか」と目を丸くする。
「何?」と聞くと「いや、何でもない」と返ってきた。
そのまま彼の前まで行くと、腕を引っ張られて彼に倒れ込む形になる。
え……あ、こういう形? まさかの、ユウと向かい合う形なの?
目の前には彼の顔がすぐ近くにあって、私の心臓は何故かドクンと音を立てた。