Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
もう達弘とは縁を切ったと思っていたのに。
中学から高校に上がるタイミングで達弘との繋がりは全て絶った。中学の同級生から繋がるのも嫌だったから全員と連絡が取れないようにした。
高校も中学からは大分遠い所にした。そもそも家から中学も中々に遠かったから家から高校まではそこまで遠い訳じゃ無いが。
――それなのに。どうして今更私の場所を嗅ぎ付けたのだろう。
それに、あいつ……明らかに何かの組織に入ってる。中学の時は、今思えばまだただの悪い奴だった――やったことは置いといて、雰囲気が――けど、今は普通の人じゃない目をしてる。絶対何らかの組織で更に悪い奴に揉まれたんだ。
まさか、それこそ暴走族とか? 流石に組では無いだろうから、可能性があるなら族だけど……。現存してるのだろうか、そんなもの。
それにしても……あーもう、足に力が入らない。
「ん? ……レイ!?」
突然聞こえた若干慌てたようなこの声の持ち主は、達弘とは正反対の、私の心を落ち着けてくれる人だ。
「……ユウ……?」
「お、おい何があった? 顔色最悪だけど」
「ん……ちょっと」
彼は私の脇に手を入れ、立たせてくれる。
「“ちょっと”って顔じゃねえぞ……。大丈夫かよ?」
「……あの……」
「ん? 何?」
「……いや、何でもない……」
「良いから。何だよ?」
「……め、迷惑じゃ無かったら……家まで送って欲し……」
「……」
ユウが黙り込んで沈黙が流れ、ようやく正気に戻る。
「ごめん、やっぱり大丈夫! 1人で帰れるし! 忘れて!」
「いいよ。送ってやる」
「えっ!? でも……ここから結構あるよ?」
「ははっ、そんくらい大丈夫だよ。それよりお前を1人で歩かせとく方が怖い」
「ごめん」
「謝るなよ」
彼は安心する笑顔を見せて私の手をひいてくれた。