Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
ユウは凄く大人だと思う。勿論、年齢的にも成人しているし、私よりも5歳上なのだからそう感じるのは当たり前と言われたら当たり前なのだけど。
何より余裕がある。いつもいつも私のことを気に掛けてくれて、ほんの少しの表情の変化にも気付いてくれる。きっとこれほど女子が憧れる理想的な男性は居ないのではないかとすら思う。
私だってこんなに出来た人間が居ることを、まだ信用出来ないでいるんだ。
それは女性が男性に求めるものとしてよく聞く、“包容力”というものなのだろう。
だけど私が彼を“掴めない”と思うのは、その包容力が彼自身への無関心から来ているような気がするからだ。出会った時から彼が見せる無表情やつまらなそうな瞳の色は、他人への無関心ではなくて自身への無関心を表しているような気がするのである。
いや、自身に無関心だから他人にも無関心なのか。
どちらにせよ、その包容力は無関心と一体なのだ。周りに興味が無いからこそ、目の前のものの変化に気付いてくれる。
あれ、なんかこれ凄く自惚れた思考だな。
「あ、ちょっとコンビニ寄っていい?」
夕食と明日の朝食分のものを買っていなかったことに気付き、私はユウにそう言った。
「おう」
快諾してくれた彼と共にコンビニ内に入る。
私は夕食用のおにぎり1つと朝食用の野菜ジュースを手に取り、レジへと向かう。
「なあ、レイ。もしかしてだけどそれ、今日の夕飯?」
「え? そうだよ。あ、こっちは明日の朝用」
紙パックを示すと隣に居るユウは驚いたように目を見開いた。
「……それ、毎日?」
「うん。朝、昼、晩全部コンビニ飯」
「お前、それ駄目だろ……」
「え?」
何? と聞こうとしたがそのタイミングで前の人の会計が終わり、私は手に持っているものをレジの台に置く。そして会計を済ませて外に出るとユウは私の手を引いてどこかへ向かって歩き出した。