Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「あ? 何だよ。てかレイ、エプロン似合わないな」
彼も私を見て笑う。
「はあ? ユウに言われたくないわ」
「うるせー。ほら、何から作る?」
久々に使われるキッチンは、正直喜んでいるのか分からなかった。もうずっと埃を被っていて、掃除をしてから始める羽目になったのだが、あまり時間は掛からずに料理を始めることが出来た。
「何からいく? 俺生姜焼き食いてえ」
「えー、それなら最後でいいでしょ。もっと手間がかかるやつから……」
「えーじゃあ……」
それから私達は買ってきた材料で作れそうなものを調べておっかなびっくり作り始めた。
「あ、ユウ! 醤油取って!」
「おう。あ、やべ沸騰する」
「あー、ちょっと焦げた、かも?」
「うわっ、換気扇換気扇」
こんな調子でいかにも料理初心者な私達だったが、お互い器用でテーブルの上には中々上出来な料理達が並んでいた。
「凄い。ほとんど無駄がない……」
それに、ユウが適当に突っ込んだ材料はほぼ使い終わっていた。
今日の夕食分の生姜焼きは皿に盛り、他のカレーや金平牛蒡やよく分からない肉の料理やらは半分をタッパーに入れ、1つの袋に入れてユウに渡す。
「はい、これ」
「え? 何で。レイが食べればいいじゃん」
「半分あるから。それに、ユウが全部払ってくれたんだし」
「そう? じゃ遠慮無く」
そして二人で向かい合ってずっと使っていなかった椅子に座り、手を合わせる。