Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「あ、持つよ」
会計も終わり、荷物を持つ私にユウがスッと手を差し出す。
『それ、重いだろ。持ってやるから、ほら』
それに重なって、脳内で別の声が再生された。
この声の主は、達弘だ。
もうあいつのことなんて思い出したくもないのに。
最近――再会してから――思い出す回数が増えてしまった。
「レイ? 何、持たなくていいんならそれはそれで大歓迎なんだけ――」
「あ! いや、ありがと!」
「そんなに勢い良く渡さなくたって……。てか重っ!」
「ふふっ。あー軽い! あ、ユウが持ってくれるんならもっと玉葱とか買えば良かったかなー」
「てめ……」
憎らしげに私を見る彼を無視して、私は歩き出した。
それからハンバーグはこれまた上手く出来上がり、私達は中身のあるようで無いような会話をしながら食事を終えた。
「ユウ、先寝るね」
食事が終わって、私は風呂を借りた。
もう1時を回っているというのに、まだ寝る気配の無いユウに声をかける。
うわあ、なんだこの台詞。家族かよ。
そう思った瞬間、ユウも同じことを言う。
「ふふっ、家族みてえ」
そう言葉にされるとなんだか気恥ずかしい。
「な、何言ってんの」
さっさと寝室へ行こうと背を向けると、ユウの声が追ってくる。
「おやすみ。レイ」
振り返ると優しい顔でそう言う彼がいた。
「……うん。おやすみ」
私はそう返し、寝室へ行って大きなベッドに潜り込む。
もうこの大きな部屋にも慣れて来た。だけどやっぱり広いベッドは一人で使うには冷たく感じて、私は膝を抱え込むようにして眠りについた。