Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
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「優子。手、繋ご?」
「う、うん……」
何があったのか覚えてないけど、この時少し気分が晴れなかった。それを言うと彼はそう提案してくれた。
私は差し出された私よりも大きな手に自分の手を重ねた。
たったそれだけ。それだけなのに心臓が口から飛び出してきそうで。
この鼓動が聞こえてるんじゃないかとか、手汗をかいたらどうしようとか、それで嫌われたらどうしようとか、そんなことを考えてた。
───
ファーストキスは勿論達弘とだった。
付き合って半年経った頃、「そろそろキスして良い?」と結構ストレートに言われたんだよな。
「ほら、目閉じて」
もうこの時の私は返事なんて出来ないくらい緊張してて。
取り敢えず言われた通りに目を閉じるので精一杯だった。
軽く触れただけ。
とても柔らかかったことだけ覚えてる。それ以外はもう全く覚えてない。
それくらい、テンパってた。
「ははっ、真っ赤じゃん」
「し、しょうがないでしょ」
ああ、こんなやり取りもしてたっけ。
───
重い荷物持ってくれただけとか、話し掛けてくれただけで惚れちゃうなんて我ながらチョロかったな……。
でもあの時は何故かそれだけで嬉しかった。
思えば、寂しかったのかも知れない。どこかポッカリと空いた穴を埋めてくれるような気がしただけだったんだ。
そして達弘が口を開く。けど、声が……別の人の声に、変わってく……?