愛する人を見つけた
「じゃ 竹沢君 告白しないつもりなのかな。」
私は隆三の顔を見る。
「そこまで 好きじゃないのよ。私なんか。」
麻衣が言うと
「反対でしょう。すごく大切だから 踏み出せないんじゃない。」
と隆三は答えた。
私と麻衣は 顔を見合わせる。
「結局 どうにもならないってことじゃない 私達。」
麻衣は 吐き出すように言う。
「何か 変化があれば 変わるんじゃない。」
浩太のことで 麻衣には助けてもらった。
もし力になれるなら。
麻衣のために 何かをしたいと 私と隆三は思っていた。
「変化?」
麻衣と私は 同時に言う。
「麻衣ちゃんに 結婚話しがあるとか。麻衣ちゃんが 会社を辞めるとか。」
隆三の言葉は 信憑性があり 私と麻衣は頷く。
「ユズみたいに。麻衣ちゃんも お芝居してみたら。台本考えて。」
隆三は 少し照れた顔で 私と麻衣を交互に見た。