愛する人を見つけた

麻衣の作戦のおかげで 私は浩太と 別れられた。


あれ以来 浩太は 何も言ってこない。


別れてすぐは 少し怖かった。

突然 浩太が アパートに 訪ねて来たら。


でも私は ずっと 隆三の部屋にいたから。

訪ねて来ても 私が 浩太に会うことはないけれど。
 

「私と同じ。麻衣も 田舎の両親に お見合いを進められているって言ったら。」

私が 麻衣の顔を見ると
 
「そうか。頑張れよって言われたら 私 立ち直れない。会社も 辞めることになるじゃない。」

麻衣は恐々と言う。
 

「その時は お見合いを断ったって 言えばいいじゃない。」

私が笑うと
 

「ユズ 他人事だと思って。余裕あるじゃない。」

と麻衣は私を睨む。


そんな私達を 隆三は 笑顔で見つめている。
 


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