愛する人を見つけた
26

「ねえユズ。ユズのアパート もう引き払ったら。」

ずっと 隆三の部屋にいる私。


家賃が もったいないと 思うけれど。

アパートには 荷物が残っているし。


隆三の部屋で 暮らすなら 親にも 言わないといけない。
 

「そうだよね。家賃 もったいないよね。」

少し躊躇いがちに 私が言うと
 

「もう少し 広い部屋に 引っ越そうか。そうすれば ユズのアパートの物も 持って来られるから。」

そう言う隆三の顔を 私はじっと見つめる。
 

「リュウ、いいの?」

私が聞くと
 


「もちろん。この際 籍入れちゃう?」


隆三は 照れた顔で 私を見る。



私は 胸がいっぱいになって 涙が溢れてしまう。
 


「俺 ユズのご両親に 挨拶しないとね。」


隆三はそう言って 人差し指で 私の涙を拭った。
 


「本当に?私 ずっと リュウと一緒にいていいの?」


私は 涙を流しながら聞く。


「当たり前。ずっと離さないって 言ったでしょう。」

私の頭を 胸に抱き寄せる隆三。


私は黙って 隆三の胸で 涙を流し続けた。
 



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