愛する人を見つけた
並んで 駅の方へ歩き出す。
「あっ。ごめん。もしかして、何か予定あった?」
少し歩いてから 香山さんは ハッとして 立ち止まる。
「ううん。暇ですよ。」
私は 香山さんの 困った顔が 嬉しかった。
「俺、突っ走っちゃうから。段取りも悪いし。昨夜 今日のこと 聞いておけばよかったよね。」
しんみりと言う 香山さん。
私は どんどん 香山さんに 惹かれていく。
「私 こういうの 好きです。サプライズっぽくて。」
私は 口先だけではなく 本当に嬉しかった。
自分が 必要とされている 感じがして。