愛する人を見つけた
昨夜の 帰り道。
私は 香山さんに 浩太に話したことを 伝えた。
浩太は 納得しなくて 週末に もう一度 会って話すことも。
「ユズちゃんの 気が済むように ちゃんと 話し合って。」
香山さんは 優しく言ってくれた。
でも 肩を抱く腕に 一瞬力が入る。
私は 香山さんを 見上げる。
「もう、このまま」
私が 言いかけた言葉を 香山さんは遮る。
「言わないで。」
そっと私の頭を撫でて
「流されると 後悔するよ。ユズちゃんの本心は すっきりしてから 俺と付き合いたいんでしょう。大丈夫だよ。俺は。待っているって 言ったでしょう。」
と香山さんは言った。
「でも私。もう香山さんと 離れたくない。」
歩きながら 香山さんに 寄り添って言う私。
香山さんは 撫でていた頭を 抱き寄せると
「待った分 ずっと離さないから。俺。」
と言った。
私は 熱い思いが 込み上げて そのまま 香山さんの胸に 顔を寄せてしまった。