愛する人を見つけた

「うん。コンビニでばったり会った時。ユズ 俺に笑ってくれたよね。作り笑いじゃなくて。だから俺 勇気を出して 食事に誘えたんだよ。」
 
「あの時はごめんね。リュウの名前 呼び捨てにして。しかも 間違った名前。」
 
「俺 嬉しかったよ。ユズが 俺を覚えていてくれて。『どなたですか』って言われたら 俺 立ち直れなかった。」
 
「私 歯医者さんで リュウに会えること 楽しみだったから。治療が終わるの 怖かったの。だからあの時 本当に嬉しかった。」

「一緒に食事して ユズを好きだって思うこと 止められなくなって。初めてだった。こんな気持ち。」
 
「私も。リュウのことが 心から離れなくて。どうすればいいのか わからなかった。」
 

「もう離さない。離せるわけないよ。こんなに好きなのに。」
 

灯りを消した部屋。


ベッドの中で 肌を探り合いながら。


私達は 二人同じ思いを伝え合う。

優しい時間。

心が満ち足りて。



幸せ過ぎて 不安になるくらい。
 
 

< 89 / 128 >

この作品をシェア

pagetop