愛する人を見つけた
「うん。コンビニでばったり会った時。ユズ 俺に笑ってくれたよね。作り笑いじゃなくて。だから俺 勇気を出して 食事に誘えたんだよ。」
「あの時はごめんね。リュウの名前 呼び捨てにして。しかも 間違った名前。」
「俺 嬉しかったよ。ユズが 俺を覚えていてくれて。『どなたですか』って言われたら 俺 立ち直れなかった。」
「私 歯医者さんで リュウに会えること 楽しみだったから。治療が終わるの 怖かったの。だからあの時 本当に嬉しかった。」
「一緒に食事して ユズを好きだって思うこと 止められなくなって。初めてだった。こんな気持ち。」
「私も。リュウのことが 心から離れなくて。どうすればいいのか わからなかった。」
「もう離さない。離せるわけないよ。こんなに好きなのに。」
灯りを消した部屋。
ベッドの中で 肌を探り合いながら。
私達は 二人同じ思いを伝え合う。
優しい時間。
心が満ち足りて。
幸せ過ぎて 不安になるくらい。