愛する人を見つけた

「ほら、そこのバカップル。こっちも焼けているぞ。」

と所長に声を掛けられて。

私の肩を抱いたまま 所長の近くに 移動する隆三。
 

「香山って 地味で控え目で。こんなに ニヤけた奴じゃなかったんだよ。ユズちゃんのせいだからね。責任とってよ。」

と所長は 親しげに 私に話しかけてくれる。
 

「私も。私も同じです。」

私が答えると、
 

「熱いなあ。肉 焦げちゃうよ。」

と所長は笑った。そして
 

「香山 最近 仕事も調子いいし。いい恋をしているってわかるよ。ユズちゃん これからも よろしく頼むね。」

と優しく言ってくれた。

私は 隆三の顔を見上げてしまう。


優しく頷く隆三。
 

「ちょっと。マジで 熱いんですけど。何とかして下さいよ、所長。」


と飯島さんが言い みんなが笑う。
 

みんなに 認められる幸せ。

隆三は 本気だから。


私を 職場の人に 紹介してくれた。


みんなの前でも 平気で イチャイチャして。


私との関係を隠さない。
 


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