アーシュベルク王国の王女と魔法使い。
鉱山と抗夫の賢人。
手仕事。

ミリアン・カーバイドは紡績工場を見学する。
錬金術師は染料を求めて試行錯誤をする。

そののちミリアンらは商人と混じり東部地方の鉱山地帯を訪れる。鉱山はかつてはドラゴンが暮らしていたとか。

「これはガリ石ですな。
銅と硫黄が混じった鉱物です」と案内役の抗夫。巨大な坑道だ。天蓋のようなドームにクリスタルが光を放っていた。

「はあ。これが鉱脈となっているわけですね」と商人。
「そういうことですな。
それを大地から拾い上げるわけです。自然の叡智は未だに学ぶべきことが多いと痛感しますな」と抗夫。
「それはそうね。自然の叡智を感じられなくなったら錬金術もおしまいになってしまうものね」とミリアン。
「しかし自然の叡智は身近にあるものですな。我々はそれを再建しているに過ぎぬ気もしますな」と抗夫。
「はい。それはフラスコのなかや料理で起こる化学反応が驚くほど簡単なものであるほど広い応用を持つことから痛感します」とミリアン。

話はそれで打ち切りとなった。
ミリアンは鉱山のドーム上の天蓋の隙間から光が筋となって差し込むのを眺めて感興に浸っていた。
抗夫が一同を案内する。
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