もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「過呼吸はひどくなると低酸素状態になります。うまく脳に酸素が回らなくて唇や頬が青くなり、意識を失うこともあります。その時は迷わず救急車をよんでください。」
「はい」
嶺の声が緊張している。

「私も勤務中でも今日は連絡が取れるようにしておきますので、何かあれば連絡ください。」
「ありがとうございます」

二人の会話が終わると、私の部屋の扉がノックされた。

「はい」
嶺かと思い振り向くとそこには仕事へ行く恰好をしている恭が立っていた。

「気をつけてな」
「・・・うん」
「じゃあ」
「・・・うん」
ぎこちなく声をかけて来た恭。
私もつられてぎこちなくなる。
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