もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
心配してくれていることが伝わる背中・・・。

私は追いかけたくなる気持ちをこらえて、その背中に小さな声で言った。

「行ってきます・・・」と。


まるでさよならの練習でもしているみたいと思いながらも、私は自分の支度を再開した。



「じゃあ、行こうか」
「はい」
私は嶺の運転するレンタカーの助手席に乗り込んだ。
「大丈夫?」
恭との話を聞いた後だからか、嶺が緊張しているのがわかる。
数分おきに「大丈夫?」と私に聞く嶺。

「大丈夫」
そのたびに私は笑顔で返事を返した。
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