もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「君の人生を背負うんだ。一緒に歩むんだっていう責任。絶対に守る、幸せにするっていう、自分への気合。喝・・・だった」
嶺の私への想いが、心に響く。

「ちゃんと、守ってくれてたんだ・・・」
ふとつぶやいた私の言葉に嶺は真剣な顔になる。

「信じてた。きっと鈴は生きていて、ここに帰ってきてくれるって。」

あまりにまっすぐな嶺のまなざしに、私の心がまた震えた。

「ついた」
嶺の言葉に、エレベーターを降りる。
「ここのフロア。」
え?フロア全部?かなり広い。

エレベーターを降りると大きな門と玄関が目に入った。
嶺は門を開けると、玄関の扉にタッチする。
「キーを持ってると、触れるだけで開くんだ。」
私に説明しながら先を歩く嶺に私は必死について行った。
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