もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
いつものように夕方、私はいつもの場所から海を見ていた。

『ザクッザクッ』

その足音をいつの日からか私は待つようになっていた。

今日も、いつものようにその足音が聞こえてくる。

私の横で止まる足音・・。

視線を移すとそこには、少ししわになっているズボンとシャツにサンダル姿。
ポケットに手を入れた・・・恭が立っている。

ちらりと私の方へ視線を向ける恭。

すぐにその視線は海の方へ向けられる。


今しかない・・・。
今日が・・・最後だ・・・。
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