もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
大丈夫。大丈夫。

何度も自分に言い聞かせる。


恭は精神科医だから、こうして私の扱い方がうまいのだろうと思う。
だから私を放っておけないのだと思う。

だから私をひろってくれたのだと思う。

だとしても・・・

ふと私の額にぬくもりを感じる。
少し、目を開けるとそこには心配そうな顔で私を見つめながら、私の頭を撫でる恭。

その顔は医者の顔じゃない。

このぬくもりの意味を考える余裕は今の私にはなくても、知りたいとは思う。
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