もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「ありがとう・・・恭・・・ありがとう・・・」
本当はもっと上手に感謝を伝えたい。
想いを伝えたい。

でも、あまり話をすると泣いてしまいそうで私はそれ以上言葉にできなかった。

「あぁ」
恭は海を見つめたままそっけない返事を返してくる。


私たちはしばらく、海を見ていた。

「鈴」
もうすぐ夕日が完全に水平線に沈むというときに恭が話始めた。

恭の方を見ると、恭は海を見たまま話を続けた。
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