もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「そんなんでいいんですか?」
「もちろん。でも絶対に無理はしないこと。体調が悪い時は家事を休んでほしい。無理だけはしないでほしいんだ。もしも無理して家事をするときは家政婦を雇って鈴には絶対安静にしていてもらう。」
「・・・気をつけます。」
「俺の仕事の手伝いも、知ってる人にいくつかあたってみるよ。家で無理なくできるような仕事があるかどうか。見つかるまでは俺の仕事部屋にぐしゃぐしゃになってる楽譜の整理をお願いしたい。あそこだけは・・・床に物が散らばってるから。」
嶺の言葉に私は首を縦に振った。
「助かる!本当に。」


結局完成したロコモコ丼をおいしいと食べてくれた嶺。

でも、昔の味だとは言わなかった。

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