もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
結局頑張っても完食することができないまま朝食の片づけをしようとキッチンへ向かうと嶺も食器を下げるのを手伝ってくれた。
「俺洗うから、支度しな?」
「・・・ありがとう」
時計を見てシャワーも浴びたかった私は素直に甘えることにした。
「あっ、鈴」
「はい?」
寝室へ向かう前に呼び止められて振り返る。

「今日、病院が終わったら出かけないか?」
「・・・うん」
「疲れてたらキャンセルして、元気だったら出かけよう」
「うん」
笑顔の嶺。
嬉しそうな嶺に、少しプレッシャーを感じてしまう・・・。

結局うまく笑顔を返せないまま「支度してくるね」と私は嶺に背中を向けた。
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