もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
電話帳には嶺の携帯番号のほかにも、仕事用の嶺の携帯電話番号。
新しい病院の連絡先。
嶺の職場の連絡先やマネージャーさんの番号、それからマンションの管理会社の番号も入っていた。

まだ覚えたての使い方で、電話帳をスライドするとその中に『長谷部恭さん』と登録された名前を見つけた・・・。


私は思わずその画面が表示されたままの携帯電話を胸に抱きしめた・・・。





その日の夜も、次の日の夜もうまく眠れないとき。
私はベランダに出て携帯電話を握りしめ月を見上げた。

この名前を忘れないように。
この人との思い出を忘れないように。
そう願いながら・・・
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