もう一度君と ～記憶喪失からはじまる2度目の恋～

朝食が完成すると嶺が私が好きだったからと常にストックしてくれている紅茶をいれはじめる。

記憶がなくても好きなものは好きらしい。

この香りをかぐと心が落ち着く・・・。

リビングのソファに座り紅茶を飲む始めるとリビングの扉が開いた。

「おはよう」
かすれた声の嶺が起きて来た。
「おはよう」
今日の寝ぐせもものすごい。
嶺は首をぐるぐるとしながら半分しかまだ開いていない目をなんとか開けて私の方を見る。
「寝れた？」
「うん」
「嘘だな。目の下のクマひどい」
「そう？」
いつの間にかこうしてごまかすことがうまくなってしまった・・・。
心の中で嶺に謝りながら私は立ち上がる。