もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
一緒にいて支えてもらっていることを毎日実感している。

「最後の卵食べていい?」
「もちろん」
そういうと嶺は嬉しそうにさらに残っていた卵焼きを口に入れた。
その顔が幸せそうだ。

「昨夜も遅かったの?」
「あー。締め切り近いからな。」
「お疲れ様」
「いえいえ。」
食後のお茶を一緒に飲みながら少し話をするのが日課になっていた。

嶺の仕事は締め切りが近くなるとかなり忙しそうだった。
毎日朝方まで仕事部屋にこもって仕事をしている嶺。

その目の下にクマができていたり少しやつれてくるのが心配だ。

「前は締め切り前ってこんなにちゃんと食事もとってなかったけど、鈴がこうしてサポートしてくれるから本当に助かってるよ。ありがとう」
私たちはよく感謝を口にする。
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