もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「あっ」
「ん?」
洗い物の最中に嶺がリビングを出て行った。

少ししてリビングに戻ってきた嶺は手に何かを持っている。

私が洗い物をしながら嶺を見ていると嶺はその何かを開け始めた。

「これ、プレゼント」
「え?」
そう言って出したのはエプロンだった。

「あるのに・・・」
私は自分のものだという寝室のクローゼットに入っていた服を整理してどこに何があるかを把握した。
その時にエプロンも見つけている。

「いいの。いつもおいしいご飯作ってくれてるからそのお礼がしたかったんだよ。」
「・・・ありがとう・・・。」
嶺はさっそくエプロンをしていなかった私の背後に回り、エプロンを頭から通す。
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