もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「手、あげて」
手が濡れている私に変わりエプロンを着せてくれる嶺。
その距離の近さにどきどきする。

「似合う!サイズもぴったりだな」
「・・うん」
満足そうな表情の嶺。
「ありがとう」
「いいえ。いつもおいしいごはんありがとう。」
微笑む嶺に私は恥ずかしくて少しうつむいた。

「じゃあ、洗濯物出してきます!」
「はい」
微笑みながら嶺はリビングを出て行った。

私は濡れた手で自分の頬に触れる。

赤くはなっていないだろうか。
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