もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
私が両手を出すと、恭は私の手にそれを渡してから自分の部屋へ行ってしまった。

すたすたと歩いていく恭の後ろ姿。

冷蔵庫の中身を把握している私にはバニラアイスもイオン飲料水も私が体調を崩す前にはなかったことが分かる。

食欲がきっとないとわかって、私が落ち着いて寝ている間に買いに行ってくれたのだろうか。

そんなことを考えながらふと台所の方へ向かう。
そこからは茶の間にある仏壇が目に入った。

きれいな女性の写真。
恭もはたから見ればかなり整った顔をしている。

二人並んでいたら本当に美男美女だっただろうな・・・


私はイオン飲料水をグイっと口に運び、大きく深呼吸をした。
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