もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
再び頭の中で聞こえる声に私は頭を抱えた。

自然と涙があふれる。

「辛い・・・」
「・・・」
「生きることが・・・つらいよ・・・」
つい口に出した私。

こんな出来損ないの私。
大切な人を傷つけてばかりの私。

「鈴」
「・・・」
「会いたかった」
「・・・え?」
「俺は鈴に会いたかった。」

恭はいつだって私の心に響くような、欲しい言葉をくれる。
暗闇から一瞬で救い出してくれるような言葉をくれる。
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