もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「なんでいつも・・・恭は優しいのよ・・・」
泣きながら、顔をぐちゃぐちゃにしながら言った私の言葉に、恭はいたずらに微笑んだ。

「意味なんてない。理由なんてない。会いたいのも。鈴をこうして抱きしめたいのも。そんなのいらないだろ。そんなの言葉にできるわけないだろ。」

そう言って恭は私を抱きしめてくれた。

「恭」
「ん?」
恭の胸に抱かれたまま私は話す。

「私に力を貸してくれる?」

その言葉に耳元で恭の声が聞こえた。
「もちろん」

と。
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