もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「鈴は俺の天使だからな」

頭の中でこだまする母親の言葉。
悪魔・・・疫病神・・・死んでしまえとまで言われた言葉・・・


自分の存在を否定している私に輪をかけるように大きくなるその母親の言葉が


恭の言葉ですっと薄れるような気がした・・・


「泣くじゃん。」
「ん?」
「そんなの言われたら、泣いちゃうじゃん」
そう言って顔をぐしゃぐしゃにゆがめる私に恭は声を出して笑いながらもう一度自分の胸で私を包み込んでくれた。
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